妖怪名:でー太郎(でーたろう)
別名:ディタラ膨大(でぃたらぼうだい)

在り様:自らが存在する電脳空間をその巨体で圧迫し、環境のパフォーマンスを低下させる妖怪。あまりのデータ量に、もはや内容を活用することすら難しい。一度肥えた身は容易には縮まず、域外への搬出すら困難になってしまうものだとやら。
縁起:雲中で作業するうち大きくなりすぎ、自分が何を抱えているかも分からなくなった哀れなデータの塊。かの山椒魚が岩屋の出口を通れなくなったように、肥えた我が身ゆえ容れ物から抜け出る術を失っている。悪意なく、ただそこにあるのみ、そこにあるだけで厄介者となる。
対処:まずは要る要らぬの確認より始めるべし。要らぬものを削った後に見直して、保存の要あれば、出口の幅に合わせてゆっくり引き出すべし。いっそ、諸共削除せしむるも一法。でき得るならば、端 から太らせぬが最上。
出現時期:計算期~/雲の期以降に肥大化
分類:邪魔
出没:入出力インターフェイスと記憶容量のアンバランスな場所
出現頻度:稀_だが一旦出現すると容易に消えない

現実的対処:ITの黎明期から存在はしていたが、記憶容量自体が大きくなかったのでさほど問題にはならなかった。しかし近年ではオンプレミスでも記憶領域確保のコストが下がってきておりデータの肥大化が放置されてしまう傾向がある。これが、クラウド環境であればとんでもない量になり得る。上記のように肥大化させないことが最善である。
発見の経緯:某AIの契約の切れ目でデータのバックアップを手元に残そうと思い「エクスポート」を指示したところ、「処理を始めました。処理には数日かかります」とのメールが届いた。しかし、1週間たっても音沙汰無し。「もしかしたら、データ量が大きくなりすぎてダウンロード用のファイルが作成できないのかもしれない」と不安になり、AIに相談した際にタイプミスして「でー太郎」となってしまったものです。「こいつが原因かぁ」ということで、妖怪と認識することになりました。妖怪としては、「デ」より「で」がいいかなとちょっとだけ手を加えました。
編成の都合で巻の六としておりますが、実は「でー太郎」が最初に認識された電脳妖怪だったんです。
■昔語り■
筆者が若い頃勤めていた小さなソフトハウスでは、PCからPCにデータを運ぶ際にRS-232Cと呼ばれるインターフェイス(機器と機器を結ぶ経路)を使っておりました。通信速度は1秒間にアルファベットで120文字程度(もう少し早く設定できるけど、エラーが多くなるからやめた方がいいと先輩に言われていました)。近年一般的に使われている1Gbpsイーサネットの約80万分の1の速度です。業務で使うような大量のデータの送信には、非常に長い時間がかかりました。でー太郎はこの頃にもいたのかもしれません。
筆者が勤め始めて間もなく、フロッピーディスクが広く使われるようになり、実際にRS-232Cでの通信操作したのはほんの数回だけでしたが…。
※RS-232Cという規格自体は、現在でも特殊な用途で使われているようです。
V.01.00 20261005 New
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