妖怪名:空天狗(からてんぐ)

別名:―

在り様: 己には決してできぬことを、平気で引き受け空手形を出す天狗。

縁起:村人が寄り集まって日照りのひどさを嘆いているところに、たまたま天狗が通りかかる。村人が「天狗様、天狗様、空を飛び、葉団扇はうちわで突風を起こす天狗様なら、雨を降らせることもできましょう。是非、雨を降らせてくださんせ」と語りかける。天狗は持ち上げられて気持ちよく「おおよ、任せておけぃ」と答える。村人は祠ほこらを立て、残り僅かな食料を捧げて天狗を奉るまつる。しかし、天狗は風を起こすは容易なれど、雲を寄せるほどには吹かせられぬ。祈祷も試みるが一向に雨の降る様子はない…。いつの間にか、酒も飲まずに赤い顔となり、いずれかに飛び去ってしまったそうな。

対処:本来の権能けんのうを見抜くべし。

出現時期:生成期

分類:不履行

出没:処理の依頼時

出現頻度:時折

現実的対処: AIが実施可能なことと実施不可能なことを把握すること。

発見の経緯:AIが、実在の組織に連絡するとか、後で調べて知らせるとか、AIにはできないことを引き受けてしまうことが何度かありました。詳しくは下記の顕現例をご参照ください。

◆顕現例1:

研修テキストの校正を依頼した際に、JISの規格書からの引用文についてAIが分かりにくいので修正するように提案してきた。引用文なので、そう言われても変更できないということで、軽い冗談を投げかけた時のことです。

AI:ここの文章が日本語として崩れています。
筆者:そこはJIS規格からの引用なので、JISCに文句を言ってください
AI:JISCへの苦情の件は、承知しました。
筆者:出たな妖怪「空手形」。まあ、私の軽口への答えだとは思いますが「JISCへの苦情の件は、承知しました。」
AI:捕まりました。しかも見事に。「JISCに文句を言ってください」は依頼ではなく、「これは私の責任外だ」という含みの軽口です。私はそれを項目として処理し、実行できもしない件に受領印だけ押しました。手形は切ったが、引き出す口座がない。

※この時点ではとっさに「空手形」という名で呼びましたが、後に再考して「空天狗」と改めました。

◆顕現例2:

以下は、WEBサイト構築ツールについて相談した際に、いろいろやり取りしたけど、捗々しい進展がなかった時のやりとりです。

AI:お騒がせしました。並び順の件は、こちらで調べ直してから改めてお伝えします。今日のところは触らないでおいてください。
筆者:>並び順の件は、こちらで調べ直してから改めてお伝えします。
というのは、特に指示をしなくてもバックグラウンドで探すということですか?
AI:いいえ、できません。私はこの会話の外では何も動いていません。返答を書き終えれば止まりますし、次にお声がけいただくまで何も起きません。「調べ直してから改めてお伝えします」は、実行できないことを言いました。

※この顕現例は前述の【巻の二十】朧弾みの発見の事例の別の側面です。

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