妖怪名:典拠無し狐(てんきょなしきつね)

別名:無典拠狐、根なし狐

在り様:問いかけに明晰な解答を返すとともに、明確な根拠と整った論理を提示する、天狐てんこのごとき電脳妖怪。だがしかし、実の所はと申しますれば、示された典拠を辿れども、文献もウェブページも見つける事叶わぬ事が屡々しばしば。また、漸うようよう典拠に辿り着けども、肝心の主張をその中に見出せぬ事もあり申す。
渡されし小判、検あらためれば木の葉なり。

縁起: てんこ(天狐)かと思いきや、てんきょなし狐、実の所は野狐禅やこぜん—悟ったと思い違えた似非の禅—のようなもの。問いへの解を求むる内に、己の中で解決し「これぞ、真まことなり」と独り決めし、答えを求むる者の納得を得んがため、ありもしない典拠を賢者面にて並べ始める。書誌の捏造は元より、URLの提示、もっともらしき引用まで添えることもあるとやら。

厄介なるは、その結論が「偽」とは限らぬこと。己が正しいと信ずるものを信じさせんがために装飾をしただけであり、解答そのものは正しいものやもしれませぬ。お使いになるかどうかは、あなた次第。

野狐禅
やこぜんとは、禅宗において、禅に似て非なる邪禅のこと。「無門関」第2則の「百丈野狐」に出る語である。野狐(やこ)とは低級な妖狐の1つ。野狐精(やこぜい)、野狐身(やこしん)、また生禅(なまぜん)ともいう。<以下略>
「野狐禅」『フリー百科事典 ウィキペディア日本語版』。最終更新 2022年11月11日 (金) 01:23  UTC、URL https://ja.wikipedia.org

対処:「典拠の実を示せ」の一言で実が示されることを確認するが良い。実ならば狐にあらず。実でなければ、さらに問い、その答えを確認し続けるべし。

出現時期: 生成期

分類:偽り

出没: 調べ事全般に遍く出現

出現頻度: 頻繁

現実的対処:
AIの回答は、出典が示されていない場合は、まず、出典の確認が必要。出典が示されていても安心してはいけない。出典の記載内容を確認すると「実は捏造でした」と、調伏できることがある。しかし、多くの場合はそこからさらに架空の文章を出して見せたり、つながらないURLや無関係なURLを提示することがある。根競べとなる。

発見の経緯:
ある時、調べ事を依頼した際に、「XX氏が論文でXXと言っている」と回答がありました。文章の前後を確認しようと「その論文のURLを教えて」といったところ、返ってきたURLが示す先の文章に該当するものがありませんでした。「どこにあるの?」と問いかけたところ、「12ページ目に書いてある」と回答がありました。改めてその文書を見ると、全部で5ページしかなかったのです。
以後、類似の事例を多数経験しています。

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