•ISOのマネジメントシステムの監査方法の手引書であるJIS Q 19011:2019(ISO 19011:2018)での監査の定義は以下のようになっています。
監査基準が満たされている程度を判定するために,客観的証拠を収集し,それを客観的に評価するための,体系的で,独立し,文書化したプロセス
JIS Q 19011:2019より
■何をするのか
「基準通り」か「基準と違う」かを判定する。
※業務の成果の多さを称賛したり、出来上がったものの芸術的価値などを比較して優劣をつけるようなものではないのです。
■どのように行うのか
・客観的な事実を客観的に判断する。
・定められた手順で実施する。
・独立性を持って実施する。
-「身びいき」、「立場による圧力」などの影響を受けないように。
監査する立場_内部監査・外部審査
•監査対象の組織と、監査者の関係は以下の3つのパターン。
•第一者監査/第二者監査/第三者監査
•第一者監査は内部監査と呼ばれ、第二者・第三者監査は外部監査と呼ばれる。

・特に内部監査においては「独立性」の確保に注意が必要になる。
・監査対象の業務について、「実施者」や「指示者」でない立場の要員が実施することが望ましい。
※経営層や事務局の監査で独立性を厳密に保つことは難しい。
様々な監査
•監査は、様々な分野で行われています。
•対象分野:会計監査、業務監査、金融監査、品質監査など
•監査の強制力:法定監査/任意監査
•監査の種類によって、監査の基準、実施方法が異なりますが、共通しているのは「仕組みや業務が基準通りに整備・実施されているか」という観点です。
監査の起源
世界的に見ると、「古代エジプト」で監査が行われていたという学術論文があります。
https://egrove.olemiss.edu/aah_notebook/vol15/iss2/6/
日本では、律令制度の下、国司の引継ぎ文書「勘解由」を確認する「勘解由使」の制度(797年頃)があり、かなり古くから行われていたものと思われます。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%8B%98%E8%A7%A3%E7%94%B1%E4%BD%BF
※イメージ図はいずれも、AIでの作画です。
「監査」という言葉
•監査は、英語ではAuditです。
•Auditという言葉は、ラテン語で「聞く」という意味のaudireが元となり、中世の欧州で「封建領主により指示徹底の確認」を示す言葉として使われたとの説があります。「聞く」ことが基本なんですね。
Merriam-Websterの「audit」のWord Historyより
・日本のマネジメントシステム認証制度での「監査」
•一方、日本のマネジメントシステム認証制度においては、Auditという言葉を翻訳する際に、実施場面によって訳語を使い分けています。
•マネジメントシステム認証を与えるための監査を「審査」と呼び、それ以外を「監査」と呼びます。
•ですので、ISMS外部審査とISMS内部監査の「審査」と「監査」は元は同じ言葉です。
「監査」という熟語
「監査」という熟語は、明治初期の政府の文書に記載があるとの論説がありますが、さほど古くから使われていたものではないようです。
雑誌『月刊監査役』222号 日本監査役協会 1986.9
V.01.00 2026.08.28 NEW
